次々と発売されるカメラやレンズを手に入れてしまいたい、という浮かんでは消える煩悩と向き合うためにブログを書いています。
たまに欲望に負けて買ってしまいます。
2024年の目標は、これ以上カメラもレンズも買わないことです。
2020年度9月末までの決算が各社で揃って発表が相次いだ。 悲喜こもごもだがカメラ事業全体で見ると明らかに縮小しているようだ。 各メーカーがどのように捉えているのかみてみたい。


[キヤノン]










キヤノンはデジタルカメラが中核事業となっていて、イメージングシステム事業が連結売上高の4分の1占め、カメラの売り上げが会社の業績に大きく左右する。レンズキットやファームウェアのアップデートアップデートの話まで決算説明会に出てくる。そのカメラ事業が大きく縮小していると捉えている。
細かい話だとAPS-Cミラーレスはうまくいっているものの、フルサイズミラーレスがあまり売れてないようだ。値引きはあまりしないようだが、レンズも揃ってきたということでこれからクリスマスシーズンを迎えるにあたって値引きも頑張るかもしれない。市場をはっきりと一般向けとプロ向けで捉えているのが面白い。フルサイズミラーレスをプロ市場とは話していない。プロ=イベントカメラマンのことをいっているのだろうか。どうやらプロ=一眼レフ、ミラーレス=一般というわけ方が見えてくる。RFマウント機もやたらと高級なレンズばかり出してボディは出し惜しみしてイマイチでチグハグなのもこの辺りが原因のような気がする。ミラーレスのボディは出し惜しみしているが、いずれプロがミラーレスに移れるようにするために先にいいレンズを揃えておいて、一気に攻める作戦かもしれない。

[ニコン]




ニコンはだいぶやばそうだ。ということを認識している様子がうかがえる。映像事業は会社の中核事業なのでカメラが売れなくなると会社自体の存続が危ぶまれる可能性もある。かつてはD800/D800Eで高画素機時代を切り開いて一斉を風靡したり、D500やDfなどいいカメラを作って熱烈なニコンファンに支えられてきているが、ミラーレスでは大苦戦をしているようだ。市場をプロ+趣味層とそれ以外というわけかたをしたのが面白い。どうやって見分けているのか。レンズ交換式カメラ市場推計と書いてあるので、自社の売り上げ結果からではなくて市場調査会社などからもらってきた結果なのかもしれない。プロ・趣味層と定義したコア層向けにフォーカスしてプロ・趣味層以外にはもうカメラを作らない、と宣言しているので、これからもコアなカメラを出すことだろう。。。ノクトのようなZマウントの大口径なイメージサークルを生かしたレンズがバンバン出す気なのか。コア層にはしっかりと自社のZ6/Z7に移行してもらわないといけないが、ニコンが忘れてそうな気がするのは、その大事なプロ・趣味層は今はまだ多くはFマウントの一眼レフ機のユーザーということだ。レンズの電子化をすすめてきたが、多くの買い替えを検討しているコアユーザーが持っているのはDとかGのレンズだろう。プロ層というと大三元レンズ、趣味層というと、野鳥の超望遠レンズとか風景の便利ズームをイメージするけれど、これまで作ってきたレンズを全てミラーレスZマウント用に揃える気があるのかどうか。シグマやタムロンはもうZマウント向けに作ってくれなさそうなので、自分で作るしかないのでかなり苦しいと勝手におもう。パナソニックやオリンパスやソニーが一眼レフのマウントを葬った時のことを研究できているのかでコアユーザの食い止めができるかがかかっているだろうと勝手に思う。


[ソニー]




ソニーはカメラが中核事業ではないようで、ほとんど決算説明会資料にデジカメの話は出てこない。スマートフォン用などのイメージセンサーが伸びている話は出ていたが、事業セグメントが異なっている。車や監視カメラ、ビデオカメラなど含めて自社のセンサーがどんどん売れていけば会社全体としてはカメラが売れなくなっても知ったこっちゃないのがすごい。そのカメラの売り上げだが、ソニーも全体では減っている。地域別に見ても特にカメラの売り上げが減ってるかどうかも見えてこないのだけれど、ちゃんと地域別に見れているのはソニーぐらいなのかもしれない。ソニーが面白いのは映画、音楽、ゲームといったエンターテイメント向けの事業が中核になっていることで、カメラ事業はシナジー効果があるんじゃないかなと勝手に思うがどうなんだろう。金融などもありなんの会社かわからないぐらいなので、デジタルカメラがちょっとぐらいダメになってもすぐに事業を止めることはなさそうだ。

[パナソニック]






パナソニックもデジタルカメラは中核事業ではないものの、一応決算説明会に話は出てきている。海外で苦戦しているようだということがわかる。海外とは欧州を中心とした、なので全体に落ち込んでいるんだろう。プレスリリースではいつもレンズやボデイの月の生産台数を書いてあるのだが泣きたくなるくらい少ない数字だ。だが、別の視点で見るとある意味もう、ニコンのいうコア層に特化したカメラやボディづくりにすでに移っているのかもしれない。それをちゃんと戦略的にやっているのかどうかは見えてこない。いいカメラやレンズをたくさん持っているので今後もやめずに細々と作っていってほしい。

[オリンパス]



映像事業自体は「6映像事業」と書いてあることから主力ではなく会社としては6番目の位置付けだ。
しかし、オリンパスは今からが期待できそう。なにせ生産拠点の再編により新製品の導入ができていなかったので生産拠点が再編が完了したことでバンバン作れる体制が整ったのだ。なにか新しい機種、E-M1 MarkIIIがいよいよ登場しそうだ。あとは150-400mmレンズに期待。パナソニックがフルサイズに軸足を移しそうで心配だけれど、これまでにミラーレスで先行して市場に出ていて、レンズも揃っていることを有利に持っていけるかどうかが今後のビジネスの維持拡大につながるだろうなあ。

[富士フイルム]








富士フイルムは面白い会社だと思った。会社の事業の中核はヘルスケア・マテリアル事業やドキュメント事業なのに、イメージング事業の話を最初に持ってきている。デジタルカメラは電子映像に分類していて、売り上げ自体は減っているものの堅調に推移しているようだ。チェキのほうがデジカメより売れているというのがすごい。会社もチェキのフィルムがどんどん売れたほうが儲かるのだ。個別の機種名が決算資料に出てくるのもすごい。写真・カメラ部門がまだまだ強そうな会社だというのが見えるし、ニコンのいうプロ・趣味層向けとそれ以外の層向けのビジネスがしっかりできている会社のように見える。


[まとめ]
全体では売り上げが減っている。今後縮小する。したがって、プロ・趣味層に特化した機種を投入する。
つまり、新しい機種はどんどん出さない、高付加価値にシフトする方向のようだ。そんなこと前からみんなうっすらと感づいていたのではないか。今ようやく現実になってきたし、みんなの認識になったようだ。今後はどんどんこの流れが加速するだろう。

ところで、ニコンのグラフを見ると、期ごとの売り上げを見るとクリスマスシーズンが一番売り上げが伸びる時期のようだ。プロ・趣味層はクリスマスにあわせて買うのかな?次の四半期でドーンと予測が下がらないかもっと心配になってきてしまった。

正直カメラ事業の衰退が心配なのである。

2大カメラメーカーとして、カメラ事業が主体の会社が厳しくなっていて、一方でカメラ事業を他所から引き取って、色々手を出しつつカメラもやっているという会社がカメラの売り上げ減を大して気にしていないというのは、今後カメラの未来はどうなるのか。多くのシロモノ家電のように、資金力のある中国企業に引き取らていったり、正直、全てがスマホカメラになっちゃう未来も見ておかないといけない。まあでもDJIとかGoProなんかと一緒になるのならいいかもしれない。しかし、Huaweiなど中国企業に買われるとアメリカがちょっと輸出規制したりするとカメラの購入すら危なくなる。AppleとかGoogleがキヤノンやニコンのカメラ事業を買って新しいプロ用のカメラを作るという未来もあるかもしれない。突然マイクロフォーサーズ参入とかしないかな、オリンパス買収したりとか。

スマホも便利で綺麗な写真が撮れるのはいいのだけど、なにより、新しいカメラが出なくなると楽しみがなくなってしまう。使っているレンズマウントが廃止されたり、事業が写ったり、会社がなくなったりしたら困るのはエンドユーザーだ。ユーザー目線で長い間使えるカメラを出しつづけてほしい。 

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