次々と発売されるカメラやレンズを手に入れてしまいたい、という浮かんでは消える煩悩と向き合うためにブログを書いています。
たまに欲望に負けて買ってしまいます。
2024年の目標は、これ以上カメラもレンズも買わないことです。
世の中はフルサイズミラーレス一辺倒だけれど、あえてエントリー機のダブルズームレンズキットについてかんがえてみたい。もちろん、プロは仕事なので壊れない機材が必要だが、自分にはエントリー機があれば十分だということに気がつくのに8年もかかってしまった。 

さて、一般の人がカメラ店などで一番最初に一眼レフ機やミラーレス機を買う時に購入を検討するのは、エントリー機のレンズキットだろう。

ところで、レンズキットとキットレンズという言葉があり最初の頃はなんのこっちゃと迷ったものだった。なんのことはない、レンズキットとは、カメラ本体とレンズが一つの商品として販売されていて、レンズと本体をバラ売りで買うよりはお得に買えるセット商品のこと。反対に、キットレンズとは、一眼レフ機やミラーレス機本体とセットになって売られている主にレンズのことだ。

レンズキットには、レンズが1本の標準ズームレンズキット、ズームレンズが2本のダブルズームレンズキット、標準ズームと単焦点レンズがついたダブルレンズキットなんかがある。

特にダブルズームレンズキットに標準ズームレンズと言われる18-55mmとか、望遠ズームと言われる55-200mmなどのレンズが2本もついてくるので大変お買い得だ。なにより、運動会を想定して「望遠がなければ!」と思ってダブルズームレンズキットを買うのだが、ほとんどの撮影では標準ズームレンズで事足りる。なにせ18-55mmではスマートフォンでいつも撮れる範囲の広角の画角から、ポートレートモードで撮るような中望遠の画角までをカバーしており、撮影の8割はこのレンズが一本あれば済んでしまうだろう。なので、望遠ズームレンズは、よほどの意気込みがないと使うチャンスがなく、本当に運動会ぐらいで出番が終わるかもしれない。

自分の場合、若干カメラ機材の入口を間違えた感がある(出口も見えないが)。

最初に買ったのがOLYMPUS E-P3のダブルレンズキット(17mm F2.8と14-42mm標準ズームレンズ) 。
14-42mmはそれなりに使ったがあとはマニュアルフォーカスの単焦点レンズをとっかえひっかえするという暴挙にでてしまった。APS-C機のペンタックスのエントリー機K-rも買ったが目的はオールドレンズ用だ。そのあともフルサイズ機のNikon D800Eにいってしまったので、いわゆるAPS-Cの標準ズームレンズやダブルズームレンズキットを使ったのは最初にカメラを買ってからすでに4年が経過した2015年のNikon D3300だった。

D3300はAmazon.comでダブルズームキットとして5万円を切った価格で購入できた。今思えばとてもコストパフォーマンスの高い買い物だったと思う。いまでこそWifiやバリアングル液晶なんかも欲しくなるけれど、写真を撮るためなら十分の機材だった。

D3300はちゃんと標準ズームで旅行に出かけたし、望遠ズームレンズは運動会にも使った。



D3300 + 18-55mm@舞岡公園のいつもの小矢戸。


D3300 + 18-55mm@熱海だったかな。



D3300 + 55-200mm@どこだったかな。イルカの運動会ではない。

 
だが、一眼レフを買うと最初に思うのが、「ボケた写真を撮りたい」となることがある。そういうボケた写真を撮るのはじつは標準ズームレンズは少し苦手だ。最初にPEN E-P3に14-42mmレンズをつけて撮った写真で思ったのは「ボケないんだな」「やられた」ということだった。どうすればボケた写真が撮れるのか。望遠ズームレンズをつかえば少しはボケるが、何かが違うらしい。
 


D3300 + 55-200mm@北京にて。少しはボケているが。。。

ボケた写真が撮れるようにメーカーもちゃんと用意してくれていて、35mm F1.8とか50mm F1.8とかのレンズを2-3万円で買えるようにしてくれている。35mmだと標準画角、50mmだと中望遠画角と、それぞれ人を撮るのにちょうどいい。(もちろん、なんでも撮りたいものを撮れるけど)

D3300にもDX 35mm F1.8というレンズがあり、これを付けて撮ればそれなりにボケた写真から、絞れば標準ズームよりもよりシャープな高画質の写真も撮れる。


D3300 + DX 35mm F1.8@足裏の埃もしっかり写ってしまう。


D3300 + DX 35mm F1.8@花に焦点が合えば背景はボケる。


D3300 + DX 35mm F1.8@35mmレンズは単焦点レンズとして1本あると便利。
標準ズームを使うのとは一味違ったレンズの使い方になり、新たな撮影スタイルを開拓できる。


D3300 + DX 35mm F1.8@APS-Cセンサーに一本だけつけるなら35mm F1.8という人も多い。


ところでレンズメーカーによって変わってくるが、APS-Cセンサーのカメラには(特に広角から中望遠までは)APS-C専用のレンズを使った方が良い結果になることが多いと思う。


D3300 + FX 28mm F1.8@舞岡公園にて。フルサイズ用の28mmレンズだが、映らないことはない。D3300につけると画角でいうと35mm版換算で42mmなので使いやすいが無理して買うことはないAPS-Cボディにつけることもないレンズ。


D3300 + DX 55-200mm@70mm F5.6
キットレンズの望遠ズームも十分綺麗。何より軽い。


D3300 + FX 70-200mm F2.8@70mm F5.6
F2.8ズームのいわるゆ大三元レンズも、APS-C機で外で絞って撮るなら望遠キットズームレンズと大差ない。大三元レンズはフルサイズ機で使わないとレンズ本来の価値を発揮できないだろう。
むしろAPS-C用のレンズがない80-400mmとか200-500mmのレンズならより望遠で使えるAPS-C機で使う意味もでてくる。

大三元ズームレンズの醍醐味は、どの画角、どの絞り値で撮っても、均一な高画質の写真が撮れることだ。APS-Cのキットズームレンズだと一般的に広角側あるいは望遠側でどちらかでは高画質だがどちらかが苦手、ということが多い。あとは絞り値が最初から大きいので表現の幅が狭まることぐらいだ。APS-C用に開発された高級ズームレンズというものもあるのでAPS-C機にはそれらを使った方がいい。

結論:
というわけで、ダブルズームレンズキットで5-8万円程度、単焦点レンズ一本を足して10万円程度あれば十分本格的な写真撮影は楽しめる。



なのにカメラメーカーは本体だけで20万円、レンズ一本10-20万円もするようなフルサイズミラーレスなど高い機材を買わせようとするのは何故なのか。これらの高価な機材は、プロたちのあらゆる条件やあらゆる表現の幅のために必要なものなのだ。


フルサイズ機はより大きなセンサーを搭載して、よりボケの大きな、深みのある、よりノイズの少なくダイナミックレンジの広い写真を撮ることができるかもしれない。その代わりに機材は高価になり重くなる。ただ一番肝心な、本質的なよい写真を撮るのにあまり役立ってはいない。

というわけで次に買うときにはフルサイズは卒業して、APS-C機のWズームレンズキットを検討しようかと思う。

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